戦争を風化させない

グアム鎮魂社夏季例祭 第十二回 2024年

 

2024年(令和六年)7月6日(土曜日)
日米戦没者慰霊祭:於・アデラップ、グアム政府庁舎グアム鎮魂社

 今年は日本が極端な円安(米では円高)の煽りを受けて海外へ旅行する人が例年とは比較にならないほど激減しています。グアムも日本人ツーリストが激減していて観光を支える業者が撤退し始めているほどです。
 そういう折の今年の慰霊祭でも日本から有志が集い、地元民間人も参集して厳かで質の高い祭典を迎えました。世界がどういう情勢であれ経済の動向がどうであれ先人の犠牲を惜しみ、偉業を称える気落ちには変わりがありません。

式典はギル・篠原氏子息のジョー・篠原氏の司会で始まり、先ず参加した要人の紹介があり、日米国歌とグアム民歌の斉唱があり、ジョシュ・テノリオ副知事(Joshua Tenorio)の挨拶、アマンダ・シェルトン(Senator Amanda Shelton)セネターによるグアム議会から主宰者へ表彰状が授与され、ブレッシングを神父マックグロス(Father Tom Mcgrath)が行い、靖国神社村田信昌権宮司と山本啓道宮掌による神式の祭礼が挙行されました。参会者は総勢60名余りで日本からは国会議員衆議院議員の杉田水脈氏夫妻の他に有志6名が参加し、地元からは池上るみこ在グアム日本国総領事と日本人学校教諭など在住日本人合わせて10余名。その他グアム議会のセネターが6名、韓国領事、台北経済文化辯事所所長らが出席しました。暑い最中の式典でしたが斎行の後は移動して観音像の前で全員が献花しそれから散会となりました。所要時間はおよそ90分あまりで非常に快適な1日でした。
その後参会者は近くのレストラン「珍風ハウス」へ移動しギルさんの姉リズ・篠原氏の好意でランチをいただきました。食事後はジーゴの慰霊塔へ散策に行って時間を過ごしました。

戦争を風化させない会代表 
グアム鎮魂社崇敬賛助会相談役


 

戦争を風化させない会 グアム島慰霊祭 2024.7.6   

本年はグアムの戦いより80年を迎えます。
先の大戦においてそれぞれの祖国の誇りを賭け、平和と家族の安寧を願いつつ散華された日米両軍の将兵、そして日本からの居留民、現地住民を含めた全ての戦没者の御霊に心からの哀悼の誠を捧げ、在天の御霊の安らかならんことを衷心よりお祈り申し上げます。
戦争を風化させない会 芳賀代表、押尾副代表をはじめ心ある皆様の弛まぬご献身とご尽力にあらためて深甚なる敬意と感謝を申し上げます。
平和で安全な未来の到来を願われた戦没者の思いにお応えすることが現代を生きる我々ひとりひとりの責務だと存じます。
来年は大東亜戦争終結より80年の節目を迎えます。あらためて先人たちへの感謝を忘れることなく、安全で平和な国づくりに私も国政の場において全力でつとめてまいりますことをお誓い申し上げ、鎮魂の言葉といたします。

内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官
衆議院議員 平沼正二郎

This year marks the 80th anniversary of the Battle of Guam.
We would like to express our heartfelt condolences to the spirits of all those who died in the last war, including the soldiers of both Japan and the United States who lost their lives while praying for peace and the happiness of the people, risking the pride of their respective homelands. . Including not only your family but also Japanese people and local residents. We would like to express our deepest condolences and pray for the repose of the souls of those who lost their lives.
I would like to once again express my deep respect and gratitude to all the warm-hearted members of the War Protection Association, including Representative Haga and Deputy Representative Oshio.
I believe that it is the responsibility of each of us living today to live up to the wishes of the war dead, who wished for a peaceful and safe future.
Next year will mark 80 years since the end of the War. I once again vow that I will never forget my gratitude to my predecessors and do my best in national affairs to build a safe and peaceful country, and I pray that their souls may rest in peace in their final moments.

Parliamentary Vice-Minister of Cabinet Office
Parliamentary Vice-Minister for Reconstruction
Member of the House of Representatives
HIRANUMA Shojiro


 

令和6年(2024年)第12回グアム鎮魂例祭に寄せて 芳賀建介 

今年もグアムでの鎮魂例祭を終える事ができました。
この慰霊祭は「戦争を風化させない会」と「グアム神社崇敬賛助会」が共催しております。

毎年行われている慰霊祭はコロナ禍の慰霊会を加えると12年続いています。
ここまで慰霊祭を挙行出来たのは参集された皆様がその場所に意義を感じ、そこで先人の御霊に感謝の誠をお示ししたいという尊崇の気持ちがあるからです。 
分けても毎年遠路遥々日本からこの例祭のために来島された皆様、特にグアムにも戦争にも全く関わりをもたいない方が日本からご参加されている事に心からの敬意を表します。 
参加したくとも諸般の都合で来られない人はとても多いもので、気持ちのある無しとに関わりなく一般的にはそういうものです。であるから他者に配慮する習慣。何がそうさせるのでしょうか?仮に私であったらそれがどこであれ時間をかけてグアムから外地に出かけることはそうはないでしょう。
中でも国会議員の杉田水脈さんは12回の慰霊祭に6回も出席され、都合が悪い時にはご主人が名代で参加されました。浪人している期間でさえ、票田にも評判にもならないグアムへ時間を割いて来島されていました。私どもと少しばかりの縁の繋がりからご英霊に哀悼の気持ちを捧げに来られます。それを知らない一般の人は、人を上辺や風評で評価します。心を見抜けないのです。それが社会かも知れませんが、人の真心を感じ取れるご英霊はとても感謝されておられるでしょう。
 
 靖国神社からは今年も村田信昌権宮司が来島し斎行されました。権宮司に敬意を表してグアム議会が感謝状を授与していましたが地元の人にはその深さや重みが伝わっているかのようでした。靖国神社が例祭として毎年神官を派遣されるのはきっとグアムに何かしら魂の響きを感じているのかも知れません。
 コロナ禍では地元の日本人有志(日本人学校の先生方)達と集まって慰霊会をしましたが、それは先生方の希望でした。そして今年も時間を割いて手伝いに来てくれましたし、長年私のアシスタントを努めてくれているマイク・チェサー君も汗をかきながら手伝ってくれました。さらに2昨年から式典の大まかなセットのほとんどを賄ってくれているギル・篠原さんと彼のファミリーがいなければかなり陳腐な式典になっていたかも知れません。こうした裏方に徹する支援者がいればこそ挙行が叶います。皆様には改めて感謝申し上げます。

毎年このような祭典を構成し組織し、演出するのが私ですが、非常に面倒で煩雑で、人を恃(たの)まずですからつい一人相撲になりがちです。誰かが発起し行動しないと前進しないから仕方ないのですが、いつもどこからともなく励ましの声が挙がり心が突き動かされます。「挙行しなければならない」という使命があるからでしょう。
 良い時代を作り上げるのは私達の役目であり使命であり仕事だとずっと考えていました。それが少しでも功利名利に走ると道が歪み始めます。そういう仲間達をここでも多く見てきました。そういう時には戦没者の犠牲的精神、揺るぎのない祖国愛が心の柱に光を放つのを感じる時が多々ありました。グアム慰霊祭に参加する人の中にはそれを確認する目的で参加されているのかも知れません。
 日本人主宰でありながら地元の人が熱心に式典を設置し、手伝い人を配置し、そして多くの(戦争に直接関わりのない)人が参加するのがグアム鎮魂祭で、お陰で今年も慰霊祭を滞りなく迎える事ができました。
 良い時代は誰かや、政治家が作るのではなく、志ある私達です。その理想の世界を築く目的で犠牲になった先人がいたのを決して忘れてはいけないと考えます。何としてでも恩返しをしたいものです。


 

日米戦没者慰霊祭:於・アデラップ、グアム政府知事庁舎公園(アサン村)

グアム鎮魂社夏季例祭 第十二回 2024年
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