戦争を風化させない

過去の慰霊祭

 当初ジーゴ村の南太平洋戦没者慰霊平和公苑の所在地が誰にもわからず、現地が荒れ果てたままである事に義憤を感じたグアム在留邦人ケン・芳賀氏が、発起して1999年地元有志に呼び掛け慰霊塔のペンキ塗りと清掃を行い、それをきっかけにして有志による定例の清掃慰霊活動の集まり「雲の会」となり、メリッソ村ティンタの受難碑に参道を造る目的で会が「ピースリンググアム」へと発展しました。
  2008年会が分裂し、改めて元国務大臣衆議院平沼赳夫議員を会長に迎えて「戦争を風化させない会」が発足し、以後毎年慰霊祭と戦跡清掃活動、戦跡に栞看板を立てるなどの活動を続けている間に共鳴者が集まり、2012年元国務大臣高市早苗議員、山本拓議員他を迎え靖國神社の神職の祭祀で戦後初めて公な場所での日本人による戦没軍人の太平洋戦争戦没者慰霊祭を行うことが出来ました。その後慰霊祭は高市早苗議員、平沼赳夫議員、下地幹郎議員などの国務大臣経験者と三宅博、杉田水脈、田沼隆志、中丸啓各議員など若手国会議員が重ねて参集し、同時に日本からグアム戦没者遺族も含めて多くの老若男女の一般賛同者が日本から来島し、靖國神社神職の祭祀齋行による現在の慰霊祭の骨格が出来上がりました。2016年の晩夏、アサン米軍上陸海岸に於いて「グアム鎮魂社」招魂鎮座祭を挙行し翌2017年7月9日、グアム政府の好意で知事庁舎公園敷地内に神社「グアム鎮魂社」が建立され、それ以後日米両軍戦没御霊と民間人犠牲者御霊を祀る「グアム戦没者鎮魂例祭」を毎年7月下旬に行なうことになりました。
「戦争を風化させない会」は一部遺族を除いて殆どが前の大戦と全く関わりのない一般有志によって構成され運営されています。また「鎮魂例祭」と同じ時期に「地元犠牲者を哀悼する慰霊祭」を別途に行なっています。受難に遭った地元民の大戦の痛みを和らげ、そして戦場に散華した御霊の魂に触れ哀悼する事が会の目的です。

 



 

 

2017年の慰霊祭

全ての人の御霊、安からんことを願って  日本国衆議院議員平沼赳夫・元国務大臣、戦争を風化させない会会長

日本国衆議院議員平沼赳夫・元国務大臣

 大東亜戦争で一万八千人の日本の将兵が尊い命を落としたグアムでの慰霊祭・神社落成式には現地の皆様方の大変手厚いご協力を頂いたことに、衷心より御礼申し上げます。
 慰霊祭で日本人だけではなく、戦争でお亡くなりになられた米国、地元すべての人の御霊の安からんことをお祈り申し上げます。

 

心から感謝の気持ちを込めて  芳賀建介・戦争を風化させない会世話役

芳賀建介

 多年の希望が叶いグアムに大東亜戦争(太平洋戦争)戦没者を鎮魂する神社が建ちました。太平洋諸島や海域に散華した御霊が集まり来て慰撫鎮魂が叶います。
 神社建立に際しては紆余曲折が重なり大変ではありましたが計画当初から地元の人達が協力的であったことに勇気を頂いて、ようやく理想の場所に希望の神社が建ちました。この神社が完成されるまで地元の人達、とりわけて「風化させない会」グアム代表のジーン・カマチョ氏の熱意とその戦没者への尊崇の気持ちなくしては成就しなかったし、副知事レイ・テノリオ氏の多年に渡る友誼と即断即決がなければ完成に何年もかかった事でありましょう。
 戦後73年を経て、かつての敵国であり地元民を戦禍に巻き込み少なからぬ犠牲者を出しているかつての敵地に、しかも被害を受け犠牲になった地元民の手によってグアム政府の中枢である知事公社敷地内に神社が建つ意義は大きく、心鎮まる安住の地を得たご英霊は安心なされておられるでしょう。機会を与えてくださった地元の人々に英霊の鎮魂に心を寄せる全ての同胞を代表してその慈悲心に感謝申し上げます。
 今日のこの式典は正に後世に残る奇跡的な式典であって、私達は知らずして歴史的な瞬間に立ち会っております。この鎮魂神社はこれから何十年、何百年とここに鎮座し歴史の目撃者となります。今ここにいる我々はその一幅の風景として輝きますがやがて忘れ去られます。しかしかつて太平洋の島々で散華したご英霊のこと、また、そのご英霊の犠牲的精神に感謝し尊崇の念からここに鎮魂社を建立しようと参集した私達の気持ちは永遠に残され失われることはありません。参集された皆様を誇りに思います。
 式典の開催にあたって遠路から来島された皆さん、ご奉仕くださった日本人学校の校長先生と先生がた、それに地元のスタッフと我が社員。様々な提供をしてくださった企業の社長、支援後援して下さった各村長に心からお礼を申し上げます。
 末筆になりますが「戦争を風化させない会」が発足して5年の間、有志としてこれまで様々な友誼を尽くして下さった前衆議院議員三宅博様が今年3月に逝去されたことをお知らせします。我が国の将来を深く憂慮し、国のあるべき姿に熱弁を奮っておられた勇姿を忘れません。このことを明記すると共に心からのお悔やみを申し上げます。また、これまで我々の慰霊行為を陰となり日向となって支援し適切なアドバイスを下さった、「世界救世教会いづのめ教団」の前田和徳様が先月お亡くなりになられました。先生のご交誼を忘れることはありません。心からご冥福をお祈り申し上げます。

 

Lt. Governor of Guam, The Honorable Ray Tenorio(グアム政府副知事 レイ・テノリオ)

Ray Tenorio

"Guam is a melting pot of many Asian, Pacific, and American cultures. We find strength in this diversity and our common quest for peace. Today, we honor those who paid the ultimate sacrifice for their nation and pray for world peace.
The Japanese community has been embedded into the fabric of our island community for many generations now. This shrine represents the bonds of a shared history and provides hope for a bright future."

 

Mayor of Asan-Maina, The Honorable Frankie Salas & Staff アサン村村長フランキー・サラス

Frankie Salas

"PEACE CANNOT BE KEPT BY FORCE, IT CAN ONLY BE ACHIEVED BY UNDERSTANDING" (Albert Einstein)

 

The Unforgotten Sacrifices of War 戦争を風化させない会 Vice Director & Guam Representative
Eugene Camacho/ユージン・カマチョ

Eugene Camacho

“The past is the past and we must forgive in order to move on or move forward. As we continue to hold these ceremonies and with the erection of the Guam Chinkon Shrine, their stories will never be forgotten and the understanding peace and unity will prevail. It is our hope that these memorial services such as this can bring the governments and its people a bit closer to the realization that while mistakes were made in the past, forgiveness and acceptance are the two methods necessary for mankind to move forward.”