戦争を風化させない

神社落成式 2017年7月9日

神社落成式 2017年

 

神社建立に寄せて

お祈り

 太平洋戦争が終わって今年で73年(日本は72年)となります。四年前に有志達が発起して始めた戦没者慰霊祭も今年で四回目を迎えることになりました。祖国安泰と存続を願ったご英霊はここグアムだけでも19.000名足らずが散華しています。また、戦時に於いて我が守備兵は心ならずもチャモロ人多数を犠牲にしています。私達はこういう史実に鑑みこれまで日米両軍とローカルを合わせて哀悼する目的で靖國神社神職による祭祀と高明な寺住職によって地元民法要を挙行して参りました。

 日本軍守備軍全体の半数以上が散華されたグアム戦争でもっとも激烈な死闘が交わされた戦場で多くの守備兵が散華されておられます。そういう史実がありながらこれまでご英霊の御霊を安置し戦死者をご慰霊する場所がなく、長年に亘って神社建立を模索していた処、この度奇跡的にグアム政府副知事レイ・テノリオ氏、アサン村のブラス前村長と現サラス村長並びに村民のご好意によって建立されました。ご英霊のみならず、そのご家族とご親族、そして多くの国民を代表して感謝申し上げます。

 さて、我国でも異国で散華された同胞がいたことすら知らない世代が増えました。それにつれて感謝の気持が廃れていくのもまた現実となっております。公共のため、国家国民の幸福を願い犠牲になられた先人を祀り、そのお気持ちを些かでも標し、尊崇の念をもって永大これを伝えていくことは私達の義務でもありまた責務でもあります。グアム鎮魂社は祖国護持の為に、とりわけて西太平洋陸海に散華した英霊、米軍将兵、ローカル犠牲者の御霊を哀悼しご慰霊するのが目的で建立しました。この神社のあちら側へ戦争でお亡くなりになられた人々の、意志と志、そしてその純粋な精神を風化させることなく受け継ぎ、そして後世へ共に繋いでいきましょう。

                  

代表世話役 芳賀 建介

 

“I think contrast is one of the most important conversations we can have – yin and yang, black and white, war and peace,” “You have the weapon of war on the same footprint as we have a peace memorial. This piece of war is rusting away, and this peace memorial is new and pristine. That’s the way we want war and conflict to be, and that’s the way we want peace and harmony to be.”

Lt. Gov. Ray Tenorio


「この神社は様々な対象を示しています。シニアとヤング、黒と白、戦争と平和。戦争の残滓があるここに平和の記念碑を建てました。戦争の残滓は過ぎ去り平和が新たに築かれたのです。であるから戦争の思い出のはそのままにして平和と調和への道を創り出しましょう。」

グアム副知事レイ・テノリオ  

                                                                                                                                                        
アパホテル情報館に於ける講演「グアム鎮魂社」の建立秘話
https://www.youtube.com/watch?v=0OxBHk2obR0