グアム鎮魂社例祭 第十回 2022年
2022年(令和四年)11月26日(土曜日)
日米戦没者慰霊祭:於・アデラップ、グアム政府庁舎グアム鎮魂社
地元民犠牲者慰霊:於・アガット村役場米軍上陸地(アガット村)
この時期は雨期で時折強いスコールがありますが、式典の数日前から快晴が続きこの日も朝から快晴でした。前年からのコロナ災禍の影響で今年も昨年に続き地元崇敬賛助会が共催する式典になり、この春に客死した代表のポール・清水氏に代わったギル・篠原代表とその一族の多大な協力によって式典はスムーズに進みました。今年は3年ぶりに日本から押尾泰典副代表、小野剛賢氏、田中優至氏と伊藤典生氏(80歳)が参加しました。小野さんは慰霊祭と地元の慰霊会の双方で祭事をしました。
式典の式次第は、日系人カール・ソト氏の司会で日本からと地元要人の紹介があり、国歌斉唱があり、ルース・レオンゲレロ知事(Lourdes A. Leon Guerrero)、アマンダ・シェルトン(Senator Amanda Shelton)セネターのスピーチに続いて、オープニングのブレッシングを神父マックグロス(Father Tom McGrath, S)が行い、続いて高野山真言宗薬師院法主小野剛賢法主が祭事をし、その後全員による献花、そして黙祷を経ておよそ90分ほどで終了しました。その模様をU-Tubuでご覧いただけます。
特筆するのは初めて現職の知事が参列しスピーチをした事、仏教形式で祭事が行われた事、地元から邦人も含めて30名近い参列者がいて、中にはサンタ・リタというグアム南部からジョセフ・カルボ(Joseph A. Calvo)氏が参加した事です。カルボさんは80歳で戦時中マンガン山収容所にいた思い出があります。また平沼赳夫先生のご子息正二郎氏からメッセージがあり押尾氏が代読しました。
式典の後、ポール・清水さんの墓参をし、ランチを摂った後に午後からアガット村の慰霊碑の前で地元祭を挙行しました。アガットでの祭事は10年ぶりでした。
式典は以下のU-Tubeでご覧に慣れます。地元賛助会の会友アクアアカデミー社主の岡宏之さんが撮影したものです。
https://www.youtube.com/watch?v=xc08YfZPhMU
衆議院議員 平沼正二郎
戦争を風化させない会 グアム島慰霊祭が斎行されるにあたり、先の大戦においてそれぞれの祖国と郷土の平和と家族の安寧を願いつつ散華された、皇軍将兵、米軍兵士、現地住民を含めたすべての戦没者の御霊に心からの敬意と感謝の誠を捧げ、在天の御霊の安らかならんことを衷心よりお祈り申し上げます。
祖国の未来と平和な世の到来を頼むとのご負託にしっかりとお応えし、平和で安全な国づくりにつとめてまいりますことをお誓い申し上げ、鎮魂の言葉といたします。
ルー・レオン・ゲレーロ知事ご挨拶邦訳
押尾様をはじめ、日本からのお客様を心より歓迎いたします。
アマンダ・シェルトン副知事代理、ハガニアのケビン・サスイコ市長、ジェイソン・オーガスティン上院議員にもお越しいただいております。
この地で亡くなられた方々のご親族の皆様、そしてご来客の皆様、お越しいただきありがとうございます。
戦争には何も良いことはありません。
ここグアムで起きた残虐な戦争のために日本とグアム、そしてアメリカの人々がたくさんの苦悩を経験しました。
それでも私たちは、互いを許し合うことを学びました。
今こうして日本、アメリカ、チャモロが友情で結ばれていることに心が温まります。
今でも世界では脅威が絶えません。
平和と協調を守るために、自分が何をすべきかを考える必要があります。
そして対話を通して友情を深め、互いの文化を認め合うことが大切です。
この神社は全ての人々への敬意の象徴であり、戦争の記憶と将来における苦難に向き合う上でとても大切な場所です。
グアムには日本にルーツを持つ大勢の方がいらっしゃり、イベントなどを通じて日本の親族の方々との交流を続けています。
今日この日も、その繋がりを確かめる機会であります。
自由と平和のために戦い、この世を去った人々を偲び、感謝の意を伝えたいと思います。
私たちはあなたを想い、そして感謝しています。
ご家族を亡くされた皆様、私たちは皆様の苦しみを共に感じ、共に祈りを捧げます。
計り知れない悲しみをご経験されたことでしょう。
しかし、どうか良い思い出も忘れないでください。
この地と世界の平和のために、私たちがすべきことを忘れてはいけません。
本日この大切な式典の開催を実現してくださったことに、感謝申し上げます。
神社の設立から10年となりますが、決してこれで終わりではありません。
これからも永遠に続いていくものであります。
皆様ありがとうございました。
これからもずっと亡き人々を想い、共に祈りを捧げましょう。
アマンダ・シェルトン上院議員ご挨拶邦訳
皆様、お越しいただきありがとうございます。
神社設立10周年の式典に参加させていただけることを、とても光栄に思っています。
この式典は命を落とした日本とチャモロの人々、そして第二次世界大戦で戦った兵士たちを偲ぶ式典です。
日本からのお客様、日本人コミュニティの皆様、お越しいただきありがとうございます。
平和と友情を確認し、共に祝福できることを嬉しく思います。
私たちは長く辛い道のりを歩んできました。
しかし互いに手を取り合い、今は神聖なこの場所で愛と思いやりを交わすことができるようになりました。
芳賀様には長年に渡り、平和と慰霊のために努力を重ねていただいたことに感謝申し上げます。
私たち家族と友人たちはこの伝統を受け継ぎ、亡くなられた方々を想い続けていくことを約束します。
シジュウス マアセ(ありがとうございます)
トム・マグラス神父祝福
神よ 我が主よ 祈りを聞かせ給え。
私たちは今日ここに集い、戦争で命を落とした日本人、アメリカ人、チャモロ人、そして全ての人々を偲びます。
今日ここを訪れる者が皆、畏敬の念を抱き犠牲者たちへ祈りを捧げられますように。
深く変わらぬ平和を、自らの内に感じることができますように。
神よ、平和を願い実現する力を私たちに授けてください。
神のご加護がありますように。
アーメン
トム・マックグラス神父 ありがとうございました。
ギル篠原奉賛会会長ご挨拶
皆様こんにちは。
こちらは日系人三世のフランク・スミス・ジュニアさんです。
そしてこちらが日系人四世の私の長男ライアン、次男アレックス、日系人五世の孫のジョセフです。
私たちは自分達に日本人の血が流れていることを、いつも心に感じています。
そして例えアメリカで暮らしていても、これからも日本人として生きていくことを自覚しています。
グアムは私たちの故郷であり、そして日本は私たちの祖国です。
私たちは祖国を愛し、故郷を愛しています。
この島で平和な生活を送り、こうして皆さんをお迎えできることを光栄に思います。
私たちはこれからもここで生き生きと暮らし、愛と尊厳に満ちた人間に成長していきたいと思っています。
そうすることこそ、この伝統を継承するために必要なことだと思うからです。
子供のころ、私の父がしていたことをよく覚えています。
ジーゴでの慰霊祭に参加するため、グアムを訪れる戦争体験者の方々を父は積極的に歓迎し、もてなしていました。
父が亡くなって何年も経った今、こうして私たちがそれを受け継いでいます。
芳賀様をはじめ式典にお越しくださった日本の皆様、そしていつも懸命に働いている皆様、ここグアムに暮らす皆様に心より感謝申し上げます。
皆様に神のご加護がありますように。
慰霊祭の前後とポール・清水氏の墓参。アメリカ風の墓地に注目!
日米戦没者慰霊祭:於・アデラップ、グアム政府知事庁舎公園(アサン村)